[:ja][終了しました]名古屋大学大学院人文学研究科言語学分野公開講演会(平成31年1月)[:]


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名古屋大学大学院人文学研究科言語学分野公開講演会
(後援:平成30年度名古屋大学人文学研究科研究プロジェクト経費
「言語学・応用言語学分野の教育・研究促進プロジェクト」)
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●●●第1回公開チュートリアル&第11回公開講演会●●●
https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/event/event-sub2/111.html

講師: 南部智史先生(Monash University)
日時: 2019年1月7日(月)10:30~12:00; 13:00~14:30
場所: 名古屋大学東山キャンパス 文系総合館4階 カンファレンスホール(下の地図のB4④)
    (地下鉄名城線「名古屋大学」駅1番出口から徒歩数分)
    http://www.nagoya-u.ac.jp/access-map/higashiyama/hum.html

内容(どちらかのみのご参加も歓迎):
10:30~12:00 チュートリアル「言語の量的データと活用方法」
本チュートリアルでは、まず言語学で利用される量的データの主な特徴を概観する。次に、データの入力方法として現在利用可能なコーパスの使い方やオンラインでのアンケート調査の実施方法などについて紹介し、各自で実際にコーパスの使用、調査の作成を行う。時間があれば分析のための統計的手法についても概説する。(※可能であればノートパソコンをご持参ください。)

13:00~14:30 講演「『だ』の使用と規範意識に見られるギャップと言語変化について」
本研究で行ったアンケート調査によると、「適切だと思っていた価格」などで用いられる「だ」は「省略」すべきでないという規範意識があるようだが、コーパスに見られる実際の使用では「だ」が現れない場合が多い言語環境もあることが分かった。この講演ではこれまでの分析結果を紹介し、言語形式の社会的評価と使用のギャップについて言語変化の側面から議論する。

お問合せ: 大島義和

●●●第12回公開講演会●●●
https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/event/event-sub2/12.html

講師: 岩崎志真子先生(Monash University)
題目: 「触覚・センソリアリティ(感覚)による相互行為:
    オーストラリアにおける盲ろう者の触手話会話分析」
日時: 2019年1月12日(土)16:00~17:30
場所: 名古屋大学東山キャンパス 全学教育棟北棟4階 406室(下の地図のB4①)
    (地下鉄名城線「名古屋大学」駅1番出口から徒歩5分)
    http://www.nagoya-u.ac.jp/access-map/higashiyama/hum.html

講演内容:
本発表では,オーストラリア触手話による相互行為の組織化に焦点をあて,触手話コミュニケーションのメカニズム、特に順番交替システムについて検討していく.また,触覚や感覚を利用した相互行為を会話分析的視点により分析し,相互行為におけるマルチモダリティとセンソリアリティについて考察する.触手話とは、先に聴覚を失い,その間手話を習得し,その後失明したという聴覚障害と視覚障害の両方を持つ人々(盲ろう者)が用いるコミュニケーション方法の一つである.
映像収録や編集技術といったテクノロジーの発展に伴い,会話分析のデータが電話の録音から対面的な相互行為へと変わり,ことばやプロゾディーなどの音声資源だけではなく,視線やジェスチャーなど,視覚資源も同時に分析するマルチモダリティという名称のもとに研究が進められている.しかし,盲ろう者にはそれらの音声資源や視覚資源は利用できない.それでは,盲ろう者はどのように会話を開始し,話者交替しながら会話を持続させ,そして会話を終わらせているのだろうか.本発表で、オーストラリアの盲ろう者がどのように順番交替を組織しているかを詳説する.これまでの相互行為分析は,健常者による会話や話しことばがマジョリティであった.一般的に,手話や触手話の研究は少なく、会話分析に至ってはほとんどない.また,触手話によるコミュニケーションを記述することが可能な方法は確立されておらず,記述および分析のための共通基盤がないのが現状であろう.そこで,本プロジェクトでは会話分析的な視点による触手話会話の分析を試み,モダリティを超えた人々の社会性と相互行為の普遍性,そして身体性について考察していきたい.

お問合せ: 安井永子

●●●第13回公開講演会●●●
https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/event/event-sub2/13.html

講師: 前川喜久雄先生(国立国語研究所教授)
題目: 「『条件異音』の実証的再検討」
日時: 2019年1月25日(金)16:30〜18:00
場所: 名古屋大学東山キャンパス 全学教育棟北棟4階 406室(下の地図のB4①)
    (地下鉄名城線「名古屋大学」駅1番出口から徒歩5分)
    http://www.nagoya-u.ac.jp/access-map/higashiyama/hum.html

講演内容:
条件異音もしくは条件変異は、音韻レベルの条件にしたがって、単一音素が複数の音声に斉一的に変化して実現される現象をさす概念であり、音韻論における最も基本的な概念のひとつである。上記の概念規定からは、観測される条件異音の物理的ないし生理的特徴は、音韻論的な条件に従って、不連続な分布をなすか、もしくは急峻な多峰性の分布を示すはずである。しかし実際には、そのような予測に従う「条件異音」は必ずしも多くない。この問題について、日本語を対象に、大規模な自発音声コーパスやリアルタイムMRI動画データベースの分析に依拠した研究の現状を報告する。母音の無声化、ザ行子音の調音様式の変異、撥音の調音位置、アクセント句頭のピッチ上昇などの現象をとりあげる予定である。

お問合せ: 宇都木昭
共催: 名古屋音声研究会

●●●第14回公開講演会●●●
https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/event/event-sub2/14.html

講師: Iraide Ibarretxe-Antuñano先生(University of Zaragoza)
題目: ”From semantic typology to language acquisition:
    The Thinking for Speaking Hypothesis in practice”
日時: 2019年1月28日(月)16:30~18:00
場所: 名古屋大学東山キャンパス 文系総合館7階 カンファレンスホール(下の地図のB4④)
    (地下鉄名城線「名古屋大学」駅1番出口から徒歩数分)
    http://www.nagoya-u.ac.jp/access-map/higashiyama/hum.html

講演内容:
The Thinking for Speaking Hypothesis (TFS) is a neorelativist proposal developed by Slobin (1991) and colleagues over the last thirty years. Its main argument is that the structure of a language directs the attention of its speakers to specific aspects of the experience when talking about them. As a result, speakers, guided by the linguistic resources available in their languages, will mention some elements and ignore others in the on-line verbalization of an event. The different linguistic patterns resulting from the TFS constitutes the rhetorical style. The TFS model has been widely applied to the study of first languages from a semantic typological perspective (cf. Berman & Slobin 1994; Strömqvist & Verhoeven 2004; Ibarretxe-Antuñano 2017), and in recent years, it has also become increasingly popular among second language scholars (Han & Cadierno 2010; Javis & Pavlenko 2008; Pavlenko 2011, 2014; among others) under the name of “re-thinking for speaking” (Robinson & Ellis 2008). This talk focuses on the advantages of taking into account TFS in second language. The main goal is to show how crucial it is to describe and consider which the rhetorical style of the languages involved is in order for the learners to acquire not just grammatically-correct sentences but also discursively-adequate and native-like utterances.

お問合せ: 秋田喜美

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