新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第16回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。
なお、第17回は「Why Only Humans Have Language」(Robin Dunbar氏、8/31開催)です(第17回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1803 、登録サイト→ https://forms.gle/TwGX8EPVrjbLVLPY9 )
第16回共創言語進化セミナー見逃し配信
タイトル: 語彙習得と記号接地:語彙システム構築のために必要な推論とその起源
(Inference involved in lexical acquisition: from grounding the first words to the construction of mature lexical systems)
講演者: 今井むつみ (慶應義塾大学環境情報学部教授)
言語 : 日本語
配信期間: 〜2021/8/23 (月) 15:00
申込サイト: https://forms.gle/F3ksYS44yYsxBU2j6
(登録後すぐに動画へのリンクを記したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)
概要:
語彙習得とは当該言語固有の複雑で精緻な語彙システムを構築することである。子供はどのようにこのプロセスの端緒を見つけ、語彙システムを構築していくのだろうか。その過程においてどのような推論をするのだろうか?またそのような推論をするためにヒトがもつ種固有の認知能力は存在するのだろうか?この講演では、記号接地から成人のもつ複雑で巨大な語彙システムを構築する過程、そこにおける推論について概観し、推論を可能にする人固有の認知能力について考察する。
参考文献:
– Imai, M., Murai, C., Miyazaki, M., Okada, H & Tomonaga, M. (2021). The contingency symmetry bias (affirming the consequent fallacy) as a prerequisite for word learning: A comparative study of pre-linguistic human infants and chimpanzees: Cognition, volume214. doi:10.1016/j.cognition.2021.104755
– Saji, N., Asano, M., & Imai, M. (2020). Acquisition of the meaning of the word orange requires understanding of the meanings of red, pink and purple: Constructing a lexicon as a connected system. Cognitive Science, 44, e12813. doi: 10.1111/cogs.12813
– Imai, M. Hidaka, S. Saji, N. & Ohba, M. (2018). Symbol grounding and system construction in the color lexicon. Tim Rogers, Marina Rau, Jerry Zhu, & Chuck Kalish (Eds.) In the Proceedings of 40th Annual Meeting of the Cognitive Science Society. (pp.1853-1858)
– Asano, M., Imai, M., Kita, S., Kitajo, K., Okada, H. & Thierry, G. (2015). Sound Symbolism Scaffolds Language Development in Preverbal Infants. Cortex, 63, 196-205. doi: 10.1016/j.cortex.2014.08.025
– Imai, M. & Kita, S. (2014). The sound symbolism bootstrapping hypothesis for language acquisition and language evolution. Philosophical Transactions of the Royal Soceity B. Phil., vol.,369: no. 1651, pii: 20130298, doi:10.1098/rstb.2013.0298
– 今井むつみ (2014年) 言語発達と身体への新たな視点 今井むつみ・佐治伸朗編 岩波講座『コミュニケーションの認知科学』第1巻第1章 pp1-34. 岩波書店
– 今井むつみ・佐治伸郎 (2014年) 人と言語 今井むつみ・佐治伸朗編 岩波講座『コミュニケーションの認知科学』第1巻第10章 pp. 259-284. 岩波書店
今井むつみ氏について:
慶應義塾大学環境情報学部教授。Cognitive Science Society 特別名誉会員(Fellow), 運営委員 (Governing Board member, 2017- )。専門は認知科学、特に言語心理学、発達心理学、教育心理学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。著書に『英語独習法』『ことばと思考』、『学びとは何か―〈探究人〉になるために』、『言語と身体性』(共編著)、『ことばの発達の謎を解く』、『親子で育てることば力と思考力』、『言葉をおぼえるしくみ―母語から外国語まで』(共著)、『新人が学ぶということ―認知学習論からの視点』などがある。
共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」