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[終了しました]言語科学会第23回年次国際大会(JSLS2022)参加募集のお知らせ

言語科学会第23回年次国際大会(JSLS2022)参加募集のお知らせ

大会日程:2022年9月24日(土)~ 25日(日)

言語科学会 (JSLS: The Japanese Society for Language Sciences) では,第23回年次国際大会(JSLS2022) をvirtual conferenceとしてオンライン開催いたします。

今回はオンラインのため会員の方は無料で大会に参加できます。是非、この機会にJSLSの会員になって、年次大会にご参加ください。年会費は正会員6,000円、学生会員3,000円です。参加をご希望の方は9月9日(金)までに会員登録と会費の納入をお願いいたします。
なお、今年度の会費の納入がお済みでない方につきましても、9月9日(金)までに会費を納入していただきますようよろしくお願いいたします。

会員登録用のページ: https://jslsweb.sakura.ne.jp/wp/?page_id=138

9月10日(土)の時点で会費の納入が確認できた方に、年次大会用のURLを送信いたします。送信日は9月21日を予定しております。

大会ホームページ:https://jslsconference.jpn.org/jsls2022/

I. 基調講演
1. William Snyder (University of Connecticut): “Children’s syntax: Insights from the time course of acquisition”
2. Nick Ellis (University of Michigan): “Second language learning of morphosyntax”

II. シンポジウム: CHILDESのこれから 【発表言語 英語】
Discussant: William Snyder (University of Connecticut)
Chair: Yasuhito Kido (Kyusyu International University)

登場者:
Masahiko Dansako (The University of Kitakyushu): “Syntactic position of nominative subject in child Japanese”
Koichi Otaki (Chukyo University): “The Kaqchikel Child Language Corpus Project”
Yuko Otsuka (Sophia University): “Tongan Child Language Corpus Project”

言語科学会第23回国際年次大会
実行委員長: 狩野暁洋 (活水女子大学)
実行副委員長: 木戸康人 (九州国際大学)

問い合わせ先:jsls-conf@googlegroups.com

[終了しました]ことばの科学会オープンフォーラム2022

ことばの科学会オープンフォーラム2022

2022年10月16日 (日) 12:50~16:30
Zoomによるオンライン開催 | 参加無料(事前申込制)

テーマ「ヒトと言語の関係性」

【基調講演】13:00~14:15
■「身体性からみたヒトの脳と心の創発―『ことばの前のことば』をたどる―」
京都大学 明和政子

【シンポジウム】14:20〜16:30
■「ことばを覚えることと習うこと―意識と気づきの観点から―」
大阪公立大学 井狩幸男
■「『つまずく』学習者に関わる視点―『なぜ』への答えを求めて―」
武庫川女子大学 村上加代子
■「小学校英語がめざすもの―意味を中心としたことばとの出会いと気づき―」
関西学院大学 泉惠美子

参加申込ページ(申込締切9月30日)
https://forms.gle/okfFhzDoNgfG36rp8
・申込情報をこちらで確認の上、フォーラム2日前までにZoomミーティング情報をお送りします。
・2日前になってもミーティング情報が届かない場合は、迷惑メールフォルダをご確認ください。迷惑メールフォルダにも見当たらない場合は、下記事務局までお問い合わせください。

ことばの科学会事務局
HP:https://sites.google.com/site/kotobanokagaku/
事務局メールアドレス:kotobanokagaku@gmail.com
野村 潤

[終了しました]第25回 第1言語としてのバイリンガリズム研究会 (BiL1) 発表募集

Call for Papers

第1言語としてのバイリンガリズム研究会(BiL1)では、新型コロナウイルス感染の推移、現状を踏まえて慎重に検討を進めた結果、10月に第25回研究会も「オンライン研究会」として開催することを決定いたしました。つきましては、本研究会の設立趣旨に沿った研究発表を募集しますので、奮ってご応募ください。(https://sites.google.com/view/bilingualism-as-a-1st-languageをご参照ください)

研究会日程:2022年10月9日(日)13:00~17:30 (予定)

[研究発表募集]
発表の形式は、(1)一般発表 または (2)院生発表
の2種類です。一般発表は30分と質疑応答10分とし、院生発表は20分と質疑応答15分とします。いずれもオンラインでの口頭発表になります。発表方式の詳細は、募集締切後採択した研究発表者に案内します。

本研究会の目指すことの一つに、この分野の若手研究者育成を掲げていますので、院生発表の場合は、質疑応答の時間を多めに取っています。
使用言語は日本語を基本とします。なお、英語での発表を希望される方は、事務局までご相談ください。
研究発表の応募の締め切りは2022年8月20日
(土)です。メールでのみ受け付けますので、subjectに必ず「BiL1発表申し込み(一般発表または院生発表)」と明記して下記情報をお送りください。9月上旬をめどに審査結果をメールでお知らせします。

[送付内容]
(1) 発表形式:一般発表か院生発表
(2) 発表内容:個人研究か共同研究
(3) 発表タイトル:
(4) 発表者(所属先): 共同研究の場合は代表者のみご記載ください
(5) 連絡先e-mailアドレス:
(6) 発表概要:500字以内で発表の意図や内容を具体的にお書きください。

発表に応募された方には、受付確認のメールをお送ります。数日中に受付確認メールが来ない場合は、事務局にお問い合わせください。

[送付先] BiL1事務局BiL1kenkyukai[@]gmail.com([ ] を除いたものがアドレスです)

[終了しました]Michael Tomasello 講演 理研オンデマンド配信シンポジウムのお知らせ

JSPS特別推進研究「アジアと欧米:コミュニケーションの文化差から言語の獲得過程を解明する」
共催:MEXT新学術領域「共創的コミュニケーションのための言語進化」

Mini-symposium on paths to word meaning #1
“Continuities in children’s prelinguistic and linguistic communication”
<オンデマンド配信>

講演者: Michael Tomasello(Max Planck Institute/Duke University)
コメンテーター: 岡ノ谷 一夫(帝京大学)、小林 春美(東京電機大学)
ホスト: 馬塚 れい子(理研CBS)

公開期間:7月21日(木)~7月28日(木)
言語:英語
詳細:JEWELプロジェクトのサイト内イベントより
https://lang-dev-lab.brain.riken.jp/jewel/event/
登録:https://krs2.riken.jp/m/jewel_sympo_ondemand
連絡先:llds.cbs@riken.jp

[終了しました]日本第二言語習得学会第22回国際年次大会(J-SLA 2022)研究発表募集

日本第二言語習得学会第22回国際年次大会(J-SLA 2022)を以下の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

皆さまのご応募をお待ちしております。

日程:2022年10月22日(土),23日(日)

場所:中央大学(後楽園キャンパス)+ウェブサイトで実施予定(状況により判断)

招待講演:Dr. Roumyana Slabakova(サザンプトン大学)

発表申込アブストラクト締め切り:2022年7月15日 11:59pm (日本標準時)

研究発表には

「口頭発表」、「ポスター発表」、「学生ワークショップにおける口頭発表」

があります。

J-SLA 2022は,発表方法に応じて以下の形式で開催いたしますのでご注意ください。

1. 口頭発表(対面と同時オンライン配信のハイブリッド) *発表者は必ず対面(中央大学)で参加

2. ポスター発表(オンラインでの開催)

3. 学生ワークショップ(対面(中央大学)での開催)

発表を希望される方は、以下ウェブサイトをご参照ください。

https://www.j-sla.org/events/20220126-01

<問い合わせ先>

J-SLA事務局 大滝宏一 (otaki@lets.chukyo-u.ac.jp)

[終了しました]日本第二言語習得学会(J-SLA)初夏の研修会 (& Boping Yuan氏講演会) のご案内

「Boping Yuan氏講演会 & J-SLA初夏の研修会」

日時:6月18日 (土)  10:00 ~ 17:00

場所:中央大学多摩キャンパス   3号館高層棟 3351教室 & Zoomでのリアルタイム配信

参加費:J-SLA会員 — 無料   非会員 — 1,000円

[申込み・参加費に関して]

参加をご希望の方は、会員・非会員に関わらず6月10日までに以下のリンクからお申し込みください。

https://forms.gle/qzUJNresHUS7jyh39

J-SLA会員として参加するためには,6月10日までに2022年度の会費をお支払いください。

年会費の支払いに関しては,以下のリンクをご覧ください。

https://www.j-sla.org/inquiry

Boping Yuan氏講演会 [10:00 ~ 11:30]

“Categorization of cues in the input and their implications for L2 acquisition”

Abstract:

Cues in the target language input are crucial for triggering all

necessary feature reconfigurations in L2 grammars. However, cues

necessary for L2 feature reconfiguration may vary with regard to their

robustness and detectability in the input. The main question asked in

this talk is to what extent different types of cues in the input can

affect the success, failure, indeterminacy or delay in the acquisition

of certain linguistic features in L2. Attempts are made in the talk to

categorize cues in the input into different types on the basis of

their saliency and robustness, and they are labelled as macro-cues,

micro-cues, nano-cues. In addition, the case of no cue in the input is

discussed as well.

J-SLA 総会 [12:15 ~ 12:45]

J-SLA 初夏の研修会 [13:00 ~ 17:00]

John Matthews (Chuo University)

“Why L2 phonology is different: Sounds of language and sounds of speech in SLA”

Mariko Nakayama (Tohoku University)

“Phonology and bilingualism: Experimental psycholinguistics approach”

Mariko Kondo (Waseda University)

“Japanese accented English: Characteristics, misconceptions and how

big a problem is it really?”

Isao Ueda (Nagoya University of Foreign Studies)

“The last hurdle in English phonological acquisition: The placement of

nuclear stress”

お問い合わせ:

J-SLA 事務局 (中京大学 大滝 宏一otaki@lets.chukyo-u.ac.jp)

[終了しました][Free Online Event in English] Emotion Day – 外国語学習における情動についての国際研究集会のご案内

この度、ニトラの哲人コンスタンティヌス大学(スロバキア)より外国語学習における感情研究の専門家をリモートで招待しての発表会を予定しておりますため、ご案内いたします。主催者は外国語教育メディア学会(LET)関西支部 基礎理論研究部会です。

  • 日時:2022年 3月13日(日)3:30PM-6:30PM (日本時間)
  • 会場:オンライン開催(Zoom活用)
  • 参加費:無料
  • 言語:English
  • フライヤー及びイベント詳細情報: https://let-kansai-fmt-sig.blogspot.com/2022/01/march-13-2022-international-meeting.html をご参照ください。

Presentation #1
The Influence of Psycho-social Training on Foreign Language Pronunciation Anxiety
by Prof. Zdena Kráľová & Prof. Anna Tirpáková (Constantine the Philosopher University in Nitra, Slovakia)

Presentation #2
Emotionally Competent Stimuli in Foreign Language Learning
by Dr. Jana Kamenická (Constantine the Philosopher University in Nitra, Slovakia)

  • 下記リンクより事前参加登録が必要です:
    https://forms.gle/6pWidTS5VbczrPZf9
  • フォームへのご回答は例会開催の前日の17:00までにお願いできますと幸いです。ご回答いただきました情報に基づいて、前日中にZoomミーティングルームへのリンクをお送りさせていただきます。
多くの方のご参加を、お待ちしております!

[終了しました]2月28日 石井友子氏(明治学院大学)講演会のお知らせ

2月28日(月)13:30-14:30に、Zoomを利用したオンライン講演会を開催いたします。講演者は、明治学院大学准教授の石井友子氏です。
使用言語は英語、参加費は無料です。参加される方は、下記リンク先のホームページに記載のフォームより、前日27日の17時までに事前申込をお願いいたします。

みなさまのご参加、お待ちしております。

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Title: Part of speech knowledge of Japanese EFL learners
Speaker: Tomoko Ishii, Ph.D.
Abstract:  In counting the number of words that a learner knows, we firstly need to decide what to consider as ‘a word’. Three word counting units that are often discussed are word family, flemma, and lemma, each of which assumes certain type of vocabulary knowledge and skills. For instance, word family-based counting assumes that the learners are familiar with the rules of derivations. In flemma-based counting, the assumption is that when a word form is known in one part of speech, the occurrence of the same word in another part of speech would not pose any difficulty in comprehension. Such assumptions, however, have been questioned by some Japan-based vocabulary researchers in recent years. In this talk, those assumptions and how they might not be met when teaching Japanese learners of English will be discussed.
Time: Monday, February 28, 2022, 13:30–14:30 (JST)
Location: Online (Zoom)
Language: English

To register, follow the link of the form on this announcement:
https://celese.jp/news/public-lecture-by-tomoko-ishii/
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[終了しました]「第1言語としてのバイリンガリズム研究会(BiL1)」第24回研究会発表募集のお知らせ

第1言語としてのバイリンガリズム研究会(BiL1)では、5月21日(土)に第24回研究会(オンライン)を開催することになりました。つきましては、本研究会の設立趣旨に沿った研究発表を募集しますので、奮ってご応募ください。(https://sites.google.com/view/bilingualism-as-a-1st-languageをご参照ください)

詳細は以下の通りです:

*****************

研究会日程:2022年5月21日(土)13:00~17:30 (予定)

[研究発表募集] 発表の形式は、(1)一般発表 または (2)院生発表 の2種類です。一般発表は30分と質疑応答10分とし、院生発表は20分と質疑応答15分とします。いずれもオンラインでの口頭発表になります。発表方式の詳細は、募集締切後採択した研究発表者に案内します。

本研究会の目指すことの一つに、この分野の若手研究者育成を掲げていますので、院生発表の場合は、質疑応答の時間を多めに取っています。 使用言語は日本語を基本とします。なお、英語での発表を希望される方は、事務局までご相談ください。 研究発表の応募の締め切りは2022年3月19日 (土)です。メールでのみ受け付けますので、subjectに必ず「BiL1発表申し込み(一般発表または院生発表)」と明記して下記情報をお送りください。4月中旬をめどに審査結果をメールでお知らせします。

 

[送付内容] (1) 発表形式:一般発表か院生発表 (2) 発表内容:個人研究か共同研究 (3) 発表タイトル: (4) 発表者(所属先): 共同研究の場合は代表者のみご記載ください (5) 連絡先e-mailアドレス: (6) 発表概要:500字以内で発表の意図や内容を具体的にお書きください。

発表に応募された方には、受付確認のメールをお送ります。数日中に受付確認メールが来ない場合は、事務局にお問い合わせください。

[送付先] BiL1事務局 BiL1kenkyukai[@]gmail.com([ ] を除いたものがアドレスです)

[終了しました]第5回 HiSoPra*研究会(歴史社会言語学・歴史語用論研究会)

第5回 HiSoPra*研究会(歴史社会言語学・歴史語用論研究会)

HiSoPra* : HIstorical SOciolinguistics and PRAgmatics

今回のHisoPra*研究会では、第5回の記念の企画として

「(歴史)語用論・(歴史)社会言語学研究の基盤としての

「話しことば」研究」というシンポジウムを開催します。(なお、従来行っていた個人の研究発表は今回は行いません。)

今回は、米国・カナダで話しことば研究の観点からの文法研究を牽引してきた大野剛氏(アルバータ大学、カナダ)と、認知言語学研究に社会言語学のバリエーション研究を反映させることの重要性を提唱されている渋谷良方氏(金沢大学)をお招きし、それぞれ「話しことば研究」「認知言語学における“social turn”」の観点から、ご自身の研究・知見をご紹介いただき、(言語学的)談話分析と歴史語用論を専門とされている小野寺典子氏に指定討論者をお願いし、歴史語用論、歴史社会言語学分野が今後これらの分野の研究成果をどのように反映していくかを考えていきたいと思います。多数の方のご参加をお待ちしております。

日時:2022年3月11日(金)13:30~16:30
開催方法:Zoomによるオンライン開催
参加費:不要

問い合わせ:horieling <AT> gmail.com

研究会にご参加くださる方は事前申し込みをお願いいたします。
下記ページGoogleフォームより必要事項を記載してください。
締め切りは3月7日(月)です。
https://forms.gle/epZpFob4SvY5cLc59
必要事項:メールアドレス,研究会出欠,お名前,ご所属,ご専門(領域)

シンポジウム:(歴史)語用論・(歴史)社会言語学研究の基盤としての「話しことば」研究

日時:2022年3月11日(金)

司会:堀江薫(名古屋大学)

13:30-13:35 趣旨説明(堀江薫・企画者、名古屋大学j)
13:35-14:35 発表1: 大野剛(アルバータ大学、カナダ)

 「日常会話から日本語を眺めてみよう」

14:35-14:45 質疑応答

14:45-15:25   発表2: 渋谷良方(金沢大学)

「認知言語学と歴史社会言語学と歴史語用論の接点 — 認知言語学の

  社会的転回が通時的言語研究にもたらすもの」   

15:25-15:35 質疑応答

15:35-15:45 休憩

15:45-16:05 指定討論(小野寺典子・共同企画者、青山学院大学)

16:05-16:30 全体討論

16:40-18:00 懇親会(Zoom)

[シンポジウム概要]

歴史語用論・歴史社会言語学にとって、「話しことば」データの収集は大きな挑戦課題です。近年でこそ話しことばのコーパスの整備が進展し、話しことばの音声データ、さらには会話場面の画像データも利用できるようになってきています(例:Spoken English Corpus, 日本語話しことばコーパス(CSJ)、日本語日常会話コーパス(CEJC))が、音声・画像データが整備されていない過去の時代においては筆写された口語資料(例:口語資料、議事録)やSPレコードなど様々なデータを駆使する必要があります(松田2008, 柳田2012, 金澤・矢島2014, 相澤・金澤2016)。

「話しことば」の重要性は、構造主義言語学以来の言語学研究、日本語学における三尾砂(三尾1942)の文法研究などにおいてつとに認識されてきました。Chafeらの先駆的研究以来、「話しことば」が「書きことば」と様々な点において異なる体系であることが広く理解されるようになりました(Chafe and Tannen 1987)が、「話しことば」を研究する際にも「書きことば」をモデルとしてしまう根強い「書きことば」バイアス(“written language bias”)(Linell 2005)の存在も指摘されてきました。一方で、話しことばと書きことばの境界は決して不連続ではなく(Biber 1988)、現代ではインターネットの発達とともに「打ち言葉」のような話しことば性を顕著に有する書きことばも現れてきています(石黒・橋本2019, 今野2021)。

自然発生の「話しことば」を理論的にも方法論的にも言語研究の中核に据える研究分野には談話・機能主義言語学(Discourse-Functional Linguistics)(Givón 1979, 2005, 堀江2004)、相互行為言語学(Interactional Linguistics)(Ochs, Schegloff, and Thompson 1996, Couper-Kuhlen and Selting 2018)、(言語学的)談話分析(Schiffrin 1987, 1994, Maynard 1993, Onodera 2004他多数)、相互行為の社会言語学(Gumperz1982, Tannen 1989他)など があります。話しことば研究の中で、「文法」が話しことばからどのように創発されるかを探求するEmergent Grammar (創発的文法)(Hopper 1987)、Discourse and Grammar(談話と文法)(DuBois 2002)、Grammar in Interaction(相互行為における文法) (Thompson 2002)、Multiple-Grammar(多重文法)(岩崎2020)など様々なアプローチが提案されてきました。これらの研究分野は社会学の下位分野である会話分析(Conversational Analysis)とも様々な度合いの近縁性があります。

「話しことば」研究は、動的な文脈(コンテクスト)における自然な言語使用データを重視します。そのようなデータには、言いよどみ、言い誤り、発話の重複などが含まれ、かつて「言語能力(linguistic competence)」と「言語運用(linguistic performance)」の区別を提唱し、言語学研究の対象を前者に限定した生成言語学とは対照的に、母語話者間の社会的属性(年齢、性別、出身地域、階層等)によるバリエーションが反映されています。

歴史語用論、歴史社会言語学は歴史的な資料を扱うという制約の中で、近年の「話しことば」研究の成果、また「母語話者」のバリエーションに関する社会言語学研究の動向をどの程度取り込んでいくことができるのでしょうか?今回は、Discourse and Grammarというアプローチの中で、米国・カナダで話しことば研究の観点からの文法研究を牽引してきた大野剛氏(アルバータ大学、カナダ)と、認知言語学研究に社会言語学のバリエーション研究を反映させることの重要性を提唱されている渋谷良方氏(金沢大学)をお招きし、それぞれ「話しことば研究」「認知言語学における“social turn”」の観点から、ご自身の研究・知見をご紹介いただき、(言語学的)談話分析と歴史語用論を専門とされている小野寺典子氏に指定討論者をお願いし、歴史語用論、歴史社会言語学分野が今後これらの分野の研究成果をどのように反映していくかを考えていきたいと思います。多数の方のご参加をお待ちしております。

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要旨(講演1)

「日常会話から日本語を眺めてみよう」(大野剛, アルバータ大学)

 

この講演では言語のもっとも基本的な姿であろう「自然に使われている話しことば」の構造・使用を精査し言語を探ろうとする、当たり前とも思えるが言語学の主流であるとは言い難いアプローチについて述べたい。このアプローチは1990年代ごろアメリカ西海岸を中心に盛んになり、この流れは現在日本を含めたアジア、特に西ヨーロッパにおいて大きく広がっている。まず最初に、そのベーシックな考え方について述べ、誤解されがちな点にも言及する。そして実際の言語使用を基盤に日本語を眺めることで分かってくるいくつかの事例を挙げたい。変化・バリエーションを前提とする話しことば研究の立場から歴史語用論・歴史社会言語学との関連性も考えてみたい。

 

要旨(講演2)

「認知言語学と歴史社会言語学と歴史語用論の接点 — 認知言語学の社会的転回が通時的言語研究にもたらすもの」                  (渋谷良方, 金沢大学)

 

従来の認知言語学では、心や脳の観点からの研究、すなわち話者の頭の中で起こることを説明するための研究が多くなされていた (cf. Cognitive Commitment; Lakoff 1990: 40) 。しかし、言語には話者同士の相互作用という社会的な側面もあり、社会言語学や語用論の視点からのアプローチも必要である (Croft 2009) 。このような認識に基づき、現在の認知言語学では、社会的転回 (social turn; Harder 2010: 3) への関心が高まっている(渋谷 2021) 。認知言語学の社会的転回は様々な効果をもたらす (e.g. 話者の言語知識に関するより現実的な考察; Shibuya 2021) 。本発表では、認知言語学の社会的転回が通時的言語研究にどのような知見を提供するのかについて、歴史社会言語学と歴史語用論との接点に着目して述べる。

 

  参考文献

相澤正夫・金澤裕之(編)(2016)『SP盤演説レコードがひらく日本語研究』ひつじ書房

Biber, Douglas. 1988. Variation across Speech and Writing. Cambridge: Cambridge University Press.

Chafe, Wallace, and Deborah Tannen. 1987. The Relation between Written and Spoken Language. Annual Review of Anthropology, Vol. 16, 383-407.

Couper-Kuhlen, Elizabeth and Margret Selting. 2018. Interactional Linguistics: Studying language in Social Interaction. Cambridge:Cambridge University Press.

Croft, William. 2009. Toward a Social Cognitive Linguistics. In: Vyvyan Evans and Stéphanie Pourcel (eds.), New Directions in Cognitive Linguistics. Amsterdam: John Benjamins, 395-420.

Du Bois, John. 2002. Discourse and Grammar. In: Tomasello (2002).

Givón , Talmy. 1979. On Understanding Grammar. New York: Academic Press.

Givón, Talmy. 2005. Context as Other Minds. The Pragmatics of Sociality, Cognition, and Communication. Amsterdam: John Benjamins.

Gumperz, John J. 1982. Discourse Strategies. Cambridge: Cambridge University Press.

Harder, Peter. 2010. Meaning in Mind and Society: A Functional Contribution to the Social Turn in Cognitive Linguistics. Berlin: Mouton de Gruyter.

Hopper, Paul J. 1997. Emergent Grammar. In: Tomasello, Michael. (ed.) 1998. The New Psychology of Language. Mahwah, New Jersey: Lawrence Erlbaum Associates, 155-175.

堀江薫(2004) 「談話と認知」中村芳久(編)『認知文法論II』大修館書店, 247-278.

石黒圭・橋本行洋(編)(2019)『話し言葉と書き言葉の接点』ひつじ書房

岩崎勝一(2020)「言語知識はどのような形をしているか-個人文法の多重性と統合性-」中山俊秀・大谷直輝編『認知言語学と談話機能言語学の有機的接点:用法基盤モデルに基づく新展開』ひつじ書房

金澤裕之・矢島正浩(編)(2014)『SP盤落語レコードがひらく近代日本語研究』ひつじ書房

今野真二(2021)『うつりゆく日本語をよむ-ことばが壊れる前に-』岩波書店

Lakoff, George. 1990. The invariance hypothesis: Is abstract reason based on image-schemas? Cognitive Linguistics 1: 39-74.

Linell, Per. (2015) The Written Language Bias in Linguistics. Its Nature, Origins, and Transformations. New York: Routledge.

松田謙次郎(編)(2008)『国会議事録を使った日本語研究』ひつじ書房

Maynard, Senko K. 1993. Discourse Modality: Subjectivity, Emotion and Voice in the Japanese Language. Amsterdam: Benjamins.

三尾砂(1942)『話言葉の文法 言葉遣篇』くろしお出版

Ochs, Elinor, Emanuel A. Schegloff, and Sandra A. Thompson (eds.) 1996. Interaction and Grammar.Cambridge: Cambridge University Press.

Onodera, Noriko O. 2004. Japanese Discourse Markers: Synchronic and Diachronic Discourse Analysis. Amsterdam: Benjamins.

Schiffrin, Deborah. 1987. Discourse Markers. Cambridge: Cambridge University Press.

Schiffrin, Deborah. 1994. Approaches to Discourse. Oxford: Blackwell.

渋谷良方(2021)「認知言語学の社会的転回−言語変異と言語変化の問題を中心に」児玉一宏・小山哲春 (編)『認知言語学の最前線−山梨正明教授古希記念論文集』ひつじ書房, 335-360.

Shibuya, Yoshikata. 2021. Rethinking native English speakers’ linguistic knowledge in a social context: Implications for construction grammar research. Paper presented at the JCLA (Japanese Cognitive Linguistics Association) 22 (Workshop: ‘Reconsidering the structure, function, and role of construct-i-con: Toward an empirical study of construction grammar’), September 2021.

Tannen, Deborah. 1989. Talking Voices: Repetition, Dialogue, and Imagery in Conversational Discourse. Cambridge University Press.

Tomasello, Michael. (ed.) 2003. The New Psychology of Language. Vol. 2. Mahwah, New Jersey: Lawrence Erlbaum Associates.

柳田征司(2012)『日本語の歴史3 中世口語資料を読む』武蔵野書院