[終了しました]第12回共創言語進化セミナー(谷口一美氏)のお知らせ 4/28 17:30 Z


新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第12回共創言語進化セミナーのお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

申込サイト: https://forms.gle/dheha4fMRsKUyyrN8

(なお、第11回「自閉症児の韻律:韻律音声学手法を用いた解析からみえてくる特性」(馬塚れい子氏)の見逃し配信は4/21 15時までです。講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1442 、視聴登録→ https://forms.gle/5BbphydjEZosGQpJ9
4/14に予定していましたThom Scott-Phillips氏のセミナーは講演者体調不良により直前の延期となり、たいへん失礼いたしました。改めて日程調整して開催させていただきます。)

第12回共創言語進化セミナー
タイトル: 認知言語学による言語進化研究の可能性:形式の進化と意味の進化
(A View of Cognitive Evolinguistics: An Exploration of Evolution of Linguistic Forms and Meanings)
講演者: 谷口一美(京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授)

言語 : 日本語
日時 : 2021/4/28 (水) 17:30-19:00 JST (少し延びる可能性あり)
申込サイト:
(登録後すぐにZoom情報を記したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)

概要 :
認知言語学は、生得的な普遍文法の存在を前提とせず、領域一般の認知能力の連合として言語機能の説明を試みる言語理論である。認知言語学を特徴づける言語観として主に、(i) 形式と意味の対応を言語の基本単位とする「言語の記号性」、(ii) 事例からのボトムアップにより規則性を抽出する「使用基盤モデル」 (usage-base model)、(iii) 言語表現の意味を概念化の問題とみなす「主観的意味論」が挙げられる。本セミナーでは、こうした認知言語学のパラダイムによって言語進化にどのようなシナリオを与えることができるか、言語の形式と意味の両面から検討し、構造の発達および意味の拡張・創発のメカニズムを示す。認知言語学とその関連理論である機能主義、構文文法における言語進化研究の取り組みを概要し、言語獲得や歴史的言語変化といった動態的側面に認められる傾向性を手掛かりとしつつ、原型的言語から現在の言語に至る変化の道すじを探る。

参考文献:
– Taniguchi, Kazumi (2017) “MAP Grammar: A Cognitive Grammar Perspective,” A. Tajino (ed.) A New Approach to English Pedagogical Grammar: The Order of Meanings, 51-62, Routledge.
– 谷口一美 (2018) 「最新の構文文法研究の進展」早瀬尚子(編)『言語の認知とコミュニケーション ―意味論・語用論、認知言語学、社会言語学 ―』 第Ⅲ部, 開拓社.
– Taniguchi, Kazumi (2019) “Language Acquisition: A Systemic View from Cognitive Linguistics,” A. Tajino (ed.) A Systems Approaches to Language Pedagogy, 11-22, Springer.

谷口一美氏について:
大阪大学文学部助手、大阪教育大学准教授、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授を経て2016年より現職(京都大学大学院人間・環境学研究科 教授)。博士(文学)。新学術領域「共創言語進化」A01言語理論班の研究分担者。主な著書に『事態概念の記号化に関する認知言語学的研究』(ひつじ書房, 2005年)『認知意味論の新展開―メタファーとメトニミー』(研究社, 2003年)など。認知言語学の立場から、構文の獲得やメタファー写像のメカニズムに関する理論的研究を行っている。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」