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[終了しました]第16回共創言語進化セミナー(今井むつみ氏)見逃し配信(8/23 15時まで)

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第16回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

なお、第17回は「Why Only Humans Have Language」(Robin Dunbar氏、8/31開催)です(第17回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1803 、登録サイト→ https://forms.gle/TwGX8EPVrjbLVLPY9 )

第16回共創言語進化セミナー見逃し配信
タイトル: 語彙習得と記号接地:語彙システム構築のために必要な推論とその起源
(Inference involved in lexical acquisition: from grounding the first words to the construction of mature lexical systems)
講演者: 今井むつみ (慶應義塾大学環境情報学部教授)
言語 : 日本語
配信期間: 〜2021/8/23 (月) 15:00
申込サイト: https://forms.gle/F3ksYS44yYsxBU2j6
(登録後すぐに動画へのリンクを記したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)

概要:
語彙習得とは当該言語固有の複雑で精緻な語彙システムを構築することである。子供はどのようにこのプロセスの端緒を見つけ、語彙システムを構築していくのだろうか。その過程においてどのような推論をするのだろうか?またそのような推論をするためにヒトがもつ種固有の認知能力は存在するのだろうか?この講演では、記号接地から成人のもつ複雑で巨大な語彙システムを構築する過程、そこにおける推論について概観し、推論を可能にする人固有の認知能力について考察する。

参考文献:
– Imai, M., Murai, C., Miyazaki, M., Okada, H & Tomonaga, M. (2021). The contingency symmetry bias (affirming the consequent fallacy) as a prerequisite for word learning: A comparative study of pre-linguistic human infants and chimpanzees: Cognition, volume214. doi:10.1016/j.cognition.2021.104755
– Saji, N., Asano, M., & Imai, M. (2020). Acquisition of the meaning of the word orange requires understanding of the meanings of red, pink and purple: Constructing a lexicon as a connected system. Cognitive Science, 44, e12813. doi: 10.1111/cogs.12813
– Imai, M. Hidaka, S. Saji, N. & Ohba, M. (2018). Symbol grounding and system construction in the color lexicon. Tim Rogers, Marina Rau, Jerry Zhu, & Chuck Kalish (Eds.) In the Proceedings of 40th Annual Meeting of the Cognitive Science Society. (pp.1853-1858)
– Asano, M., Imai, M., Kita, S., Kitajo, K., Okada, H. & Thierry, G. (2015). Sound Symbolism Scaffolds Language Development in Preverbal Infants. Cortex, 63, 196-205. doi: 10.1016/j.cortex.2014.08.025
– Imai, M. & Kita, S. (2014). The sound symbolism bootstrapping hypothesis for language acquisition and language evolution. Philosophical Transactions of the Royal Soceity B. Phil., vol.,369: no. 1651, pii: 20130298, doi:10.1098/rstb.2013.0298
– 今井むつみ (2014年) 言語発達と身体への新たな視点 今井むつみ・佐治伸朗編 岩波講座『コミュニケーションの認知科学』第1巻第1章 pp1-34. 岩波書店
– 今井むつみ・佐治伸郎 (2014年) 人と言語 今井むつみ・佐治伸朗編 岩波講座『コミュニケーションの認知科学』第1巻第10章 pp. 259-284.  岩波書店

今井むつみ氏について:
慶應義塾大学環境情報学部教授。Cognitive Science Society 特別名誉会員(Fellow), 運営委員 (Governing Board member, 2017- )。専門は認知科学、特に言語心理学、発達心理学、教育心理学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。著書に『英語独習法』『ことばと思考』、『学びとは何か―〈探究人〉になるために』、『言語と身体性』(共編著)、『ことばの発達の謎を解く』、『親子で育てることば力と思考力』、『言葉をおぼえるしくみ―母語から外国語まで』(共著)、『新人が学ぶということ―認知学習論からの視点』などがある。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]ご案内:(一般化)線形混合効果モデルの入門・実践的ワークショップ 9/7-8

言語科学会企画委員会では,以下のワークショップを開催いたします。お申し込み時点で本年度(2020-2021年度)の学会年会費をお支払いいただいている学会員の皆様は無料で参加できます。参加申し込み期限は8月31日(予定)です。近日中に申し込みページを作成し改めてご案内いたします。

We are happy to announce an on-line workshop on (G)LMM ((Generalized) Linear Mixed-effects Models) on Sept. 7 and 8. Registration is free for JSLS members who (will) have paid membership fee for 2020-2021. Please check out details below in Japanese. The registration form will be announced soon (the deadline will be Aug. 31).

(一般化)線形混合効果モデルの入門・実践的ワークショップ (zoom開催。使
用言語:日本語)
言語科学会主催・東京大学総合文化研究科言語情報科学専攻共催

日程:9/7(火)・8(水) 1:30-4:00 p.m.
講師:峰見一輝(立命館大学 任期制講師)
趣旨:
本ワークショップでは,(一般化)線形混合効果モデル[(G)LMM]によるデータ分析の入門的・実践的なチュートリアルを行ないます。従来広く使われてきた分散分析などにはない利点があることから,近年の心理言語学研究では,データ分析に (G)LMM が用いられる場合が多いです。しかし,その分析手順の煩雑さもあり,独学で (G)LMM を習得することに困難を感じる方も多いのではないかと想像します。
そこで,本ワークショップでは,これまで (G)LMM に触れたことがない人でも,その基本概念を理解し,基本的な分析を一人で行なえるようになることを目標と
し,入門的かつ実践的なチュートリアルを行ないます。
また,本ワークショップは,単なる一方向の講義だけでなく,参加者の方が実際に (G)LMM を使って分析する際に困っている点にお答えする形での質疑応答セッションも含む予定です。
(本ワークショップでは,統計解析用フリーソフトウェア R を用います。)

「第1言語としてのバイリンガリズム研究会(BiL1)」第23回研究会発表募集のお知らせ

第1言語としてのバイリンガリズム研究会(BiL1)では、10月24日(日)に第23回研究会(オンライン)を開催することになりました。つきましては、本研究会の設立趣旨に沿った研究発表を募集しますので、奮ってご応募ください。詳しくは、

https://sites.google.com/site/bilingualismasa1stlanguage/di23hui-yan-jiu-hui をご参照ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

[終了しました]第16回共創言語進化セミナー (今井むつみ氏)のお知らせ 8/3 17:30

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第16回共創言語進化セミナーのお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

なお、第15回「Understanding Animal Linguistics」(Thom Scott-Phillips氏)は7/19 15時まで見逃し配信しています。(第15回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1572 、視聴登録→ https://forms.gle/v1DkzqLBkCJArBKm6

第16回共創言語進化セミナー
タイトル: 語彙習得と記号接地:語彙システム構築のために必要な推論とその起源
(Inference involved in lexical acquisition: from grounding the first words to the construction of mature lexical systems)
講演者: 今井むつみ (慶應義塾大学環境情報学部教授)
言語 : 日本語
日時 : 2021/8/3 (火) 17:30-19:00 JST (少し延びる可能性あり)
申込サイト:https://forms.gle/2216xpNqfFXDKLrt7
(登録後すぐにZoom情報を記載したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)

概要:
語彙習得とは当該言語固有の複雑で精緻な語彙システムを構築することである。子供はどのようにこのプロセスの端緒を見つけ、語彙システムを構築していくのだろうか。その過程においてどのような推論をするのだろうか?またそのような推論をするためにヒトがもつ種固有の認知能力は存在するのだろうか?この講演では、記号接地から成人のもつ複雑で巨大な語彙システムを構築する過程、そこにおける推論について概観し、推論を可能にする人固有の認知能力について考察する。

参考文献:
– Imai, M., Murai, C., Miyazaki, M., Okada, H & Tomonaga, M. (2021). The contingency symmetry bias (affirming the consequent fallacy) as a prerequisite for word learning: A comparative study of pre-linguistic human infants and chimpanzees: Cognition, volume214. doi:10.1016/j.cognition.2021.104755
– Saji, N., Asano, M., & Imai, M. (2020). Acquisition of the meaning of the word orange requires understanding of the meanings of red, pink and purple: Constructing a lexicon as a connected system. Cognitive Science, 44, e12813. doi: 10.1111/cogs.12813
– Imai, M. Hidaka, S. Saji, N. & Ohba, M. (2018). Symbol grounding and system construction in the color lexicon. Tim Rogers, Marina Rau, Jerry Zhu, & Chuck Kalish (Eds.) In the Proceedings of 40th Annual Meeting of the Cognitive Science Society. (pp.1853-1858)
– Asano, M., Imai, M., Kita, S., Kitajo, K., Okada, H. & Thierry, G. (2015). Sound Symbolism Scaffolds Language Development in Preverbal Infants. Cortex, 63, 196-205. doi: 10.1016/j.cortex.2014.08.025
– Imai, M. & Kita, S. (2014). The sound symbolism bootstrapping hypothesis for language acquisition and language evolution.  Philosophical Transactions of the Royal Soceity B. Phil., vol.,369: no. 1651, pii: 20130298, doi:10.1098/rstb.2013.0298
– 今井むつみ (2014年) 言語発達と身体への新たな視点 今井むつみ・佐治伸朗編 岩波講座『コミュニケーションの認知科学』第1巻第1章 pp1-34.  岩波書店
– 今井むつみ・佐治伸郎 (2014年) 人と言語 今井むつみ・佐治伸朗編 岩波講座『コミュニケーションの認知科学』第1巻第10章 pp. 259-284.  岩波書店

今井むつみ氏について:
慶應義塾大学環境情報学部教授。Cognitive Science Society 特別名誉会員(Fellow), 運営委員 (Governing Board member, 2017- )。専門は認知科学、特に言語心理学、発達心理学、教育心理学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。著書に『英語独習法』『ことばと思考』、『学びとは何か―〈探究人〉になるために』、『言語と身体性』(共編著)、『ことばの発達の謎を解く』、『親子で育てることば力と思考力』、『言葉をおぼえるしくみ―母語から外国語まで』(共著)、『新 人が学ぶということ―認知学習論からの視点』などがある。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]第15回共創言語進化セミナー(Thom Scott-Phillips氏)見逃し配信(7/19 15時まで)

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第15回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

なお、第16回は「語彙習得と記号接地:語彙システム構築のために必要な推論とその起源」(今井むつみ氏、8/3開催)
を予定しています。詳細は追ってお知らせいたします。(登録サイト→ https://forms.gle/2216xpNqfFXDKLrt7

第15回共創言語進化セミナー見逃し配信
タイトル: Understanding Animal Linguistics
講演者: Thom Scott-Phillips (Senior Research Scientist, the Social Mind Center and the Department of Cognitive Science, Central European University (Budapest))
言語 : 英語
配信期間 : 〜2021/7/19 (月) 15:00
申込サイト: https://forms.gle/YqrmPVRfxuqegkiU7
(登録後すぐに動画へのリンクを記したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)

概要 :
How should we understand the findings of animal linguistics? Over the past 20 or so years, detailed comparative studies have revealed how some important qualities observed in human languages are also present, in some form or another, in the communication systems of other species. To pick just one example, the calls of chestnut-crowned babblers exhibit the collection of qualities that characterise ‘duality of patterning’, a property many linguists have identified as foundational. How should we interpret such discoveries, and accommodate them into linguistic theory? I will present an answer from the perspective of cognitive pragmatics.
First, I will summarise my experimental research showing basic combinatorics in bacterial communication. Second, I will argue that what is being revealed by animal linguistics is how many aspects of combinatoriality are present in the cognition of other species, and as such is potentially available to be co-opted by any culturally evolving communication system. Third, I will sketch the argument that what makes human communication so distinctive is that humans spontaneously interpret communicative stimuli as optimally relevant. This tendency sets in motion the cultural evolution of words and grammars, as epistemic tools that massive enhance human communication.

参考文献:
– Heintz, C., & Scott-Phillips, T. (under review). Expression unleashed.
– Scott-Phillips, T. (in press). Languages & the Necker cube. Inference: International Review of Science.
– Scott-Phillips, T., Diggle, S., Gurney, J., Ivens, A. & Popat, R. (2014). Combinatorial communication in bacteria: Implications for the origins of linguistic generativity. PLoS One, 9(4), e95929.
– Scott-Phillips, T., Kirby, S., & Ritchie, G. (2009). Signalling signalhood and the emergence of communication. Cognition, 113(2), 226-233.

Thom Scott-Phillips氏について:
エディンバラ大学でMSc、PhDを取得後、エディンバラ大学、ダラム大学での研究を経て、現職。心と文化、特にコミュニケーションと言語に対して進化学と認知科学からアプローチする研究を続けている。語用論の観点から言語の起源・進化を論じる画期的な本である”Speaking Our Minds”を2014年に上梓。本書の訳書『なぜヒトだけが言葉を話せるのか  ーコミュニケーションから探る言語の起源と進化』(東京大学出版会)が刊行された(http://www.utp.or.jp/book/b577409.html )。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]第14回共創言語進化セミナー(山極寿一氏)見逃し配信(6/30 15時まで)

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第14回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

なお、第15回「Understanding Animal Linguistics」(Thom Scott-Phillips氏)は、6/30の開催です。
(第15回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1572 、登録サイト→ https://forms.gle/CiTPDFPVt9usgsmb8

第14回共創言語進化セミナー見逃し配信
タイトル: 共創的コミュニケーションの進化を考える
講演者: 山極壽一氏 (人間文化研究機構総合地球環境学研究所 所長)
言語 : 日本語
配信期間 : ~2021/6/30 (水) 15:00 JST
申込サイト: https://forms.gle/hxtmrPcmmvW22mK66
(登録後すぐに動画へのリンクを記したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)

概要 :
現代の人間にとってことばは考える道具であり、創造性の源である。しかし、その進化の歴史を遡ると、 やはりことばはコミュニケーションの一つとして生まれ、発達してきたと考えざるを得ない。それは、 ことばがコミュニケーションとしては実に不完全な道具だからである。ことばは一語でも2語でも相手 に通じるし、逆にいくらことばを尽くしても相手に伝わらなかったり、誤解されることが多々ある。
人間は他の霊長類と同じく視覚優位の動物である。百聞は一見に如かずというように、見たことが真実 であり、それ以外の感覚は視覚を補うか、視覚による確認を促す役割を与えられている。だから、こと ばのそもそもの役割は対面で行われていた社会的文脈を構造化し、時空間の広がりをもたせて、複雑さ の増加に適応することだったのではないかと思えてくる。であれば、現在の言語に関する脳の機能やそ
の遺伝的仕組みを調べるとともに、人類の社会的文脈と認知能力がどのような背景で、いかなる進化を 遂げてきたのかについて検討することが不可欠になる。道具の進化はその大きな切り口になるだろう。
しかし、人類に系統的に近い霊長類の社会的文脈と認知能力、それを支える生理的特徴を総合的に分析 することも重要である。なぜなら、人類の脳容量は集団規模の増加に対応して増大したと考えられてい るからである。集団規模の増大は人類にいかなる利益をもたらし、いかなる問題を生んだのか。そこに は、霊長類の食と性の特徴が基調となっている。人類の祖先は他の霊長類、とりわけ人類に近い類人猿
が経験していない生息域に足を延ばすことによって、身体や生理の特徴を大きく変えた。食生活の変化 による消化器の縮小、生活史の変化による成長遅滞や離乳期、思春期の登場といった特徴である。社会 編成の変化はそれらの変化と強く関連付けられており、新しい環境で人類の生存を支えるものだったは ずである。複数の家族を含む共同体はその結果としてできた。個体の自由な動きを容認しながら大きな
集団をまとめるには、シンボルを使った全体論的なコミュニケーションが必要になる。つまり、社会的 文脈をいくつも作り、それを全体的にまとめ上げて解釈する必要性が生じる。そのとりあえずの道具が ことばであった。ことばはコミュニケーションとしては万能ではない。そして今、ことばに代わるシン ボルを使ったコミュニケーションが登場し、人々を混乱に陥れている。その新たな情報社会の危機を乗
り越えるためには、ことばのもつ原初的役割とそれが発達した背景、そしてそのコミュニケーションと しての限界を理解しなければならないと思う。

参考文献:
– Yamagiwa J, Shimooka Y, Sprague DS (2014) Life history tactics in monkey and apes : focus on female-dispersal species. In : Yamagiwa J & Karczmarski L (eds), Primate and Cetacean : field research and conservation of complex mammalian societies, Springer, Tokyo, pp. 173-206.
– Yamagiwa J, 2018. Evolution of community and humanity from primatological viewpoints. In : Stomu Yamash’ta, Tadashi Yagi, Stephen Hill (eds), The Kyoto Manifesto for Global Economics : The Platform of Community, Humanity, and Spirituality, Springer Nature, Singapore, pp. 329-357.
– ロビン・ダンバー著『人類進化の謎を解き明かす』(2016)インターシフト
– 野間秀樹著『言語存在論』(2018)東京大学出版会
– ダニエル・エヴァレット著『言語の起源』(2020)白揚社

山極寿一氏について:
京都大学理学部卒、理学博士。京都大学理学研究科教授を経て、2020年9月まで京都大学総長を務める。国際霊長類学会会長、国立大学協会会長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員を歴任。2020年4月より現職。アフリカ各地でゴリラの行動や生態をもとに初期人類の生活を復元し、人類に特有な社会特徴の由来を探っている。著書に『暴力はどこからきたか』(NHKブックス)、『人類進化論』(裳華房)、『家族進化論』(東京大学出版会)『スマホを捨てたい子どもたち』(ポプラ新書)など。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]第15回共創言語進化セミナー (Thom Scott-Phillips氏)のお知らせ 6/30 17:30

第15回共創言語進化セミナー
タイトル: Understanding Animal Linguistics
講演者: Thom Scott-Phillips (Senior Research Scientist, the Social Mind Center and the Department of Cognitive Science, Central European University (Budapest))

言語 : 英語
日時 : 2021/6/30 (水) 17:30-19:00 JST (少し延びる可能性あり)
申込サイト: https://forms.gle/uoQxAbe7sdHLBSA6A
(登録後すぐにZoom情報を記載したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)

概要:
How should we understand the findings of animal linguistics? Over the past 20 or so years, detailed comparative studies have revealed how some important qualities observed in human languages are also present, in some form or another, in the communication systems of other species. To pick just one example, the calls of chestnut-crowned babblers exhibit the collection of qualities that characterise ‘duality of patterning’, a property many linguists have identified as foundational. How should we interpret such discoveries, and accommodate them into linguistic theory? I will present an answer from the perspective of cognitive pragmatics.
First, I will summarise my experimental research showing basic combinatorics in bacterial communication. Second, I will argue that what is being revealed by animal linguistics is how many aspects of combinatoriality are present in the cognition of other species, and as such is potentially available to be co-opted by any culturally evolving communication system. Third, I will sketch the argument that what makes human communication so distinctive is that humans spontaneously interpret communicative stimuli as optimally relevant. This tendency sets in motion the cultural evolution of words and grammars, as epistemic tools that massive enhance human communication.

参考文献:
– Heintz, C., & Scott-Phillips, T. (under review). Expression unleashed.
– Scott-Phillips, T. (in press). Languages & the Necker cube. Inference: International Review of Science.
– Scott-Phillips, T., Diggle, S., Gurney, J., Ivens, A. & Popat, R. (2014). Combinatorial communication in bacteria: Implications for the origins of linguistic generativity. PLoS One, 9(4), e95929.
– Scott-Phillips, T., Kirby, S., & Ritchie, G. (2009). Signalling signalhood and the emergence of communication. Cognition, 113(2), 226-233.

Thom Scott-Phillips氏について:
エディンバラ大学でMSc、PhDを取得後、エディンバラ大学、ダラム大学での研究を経て、現職。心と文化、特にコミュニケーションと言語に対して進化学と認知科学からアプローチする研究を続けている。語用論の観点から言語の起源・進化を論じる画期的な本である”Speaking Our Minds”を2014年に上梓。本書の訳書『なぜヒトだけが言葉を話せるのか  ーコミュニケーションから探る言語の起源と進化』(東京大学出版会)が7/2に刊行予定(http://www.utp.or.jp/book/b577409.html )。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]第14回共創言語進化セミナー(山極寿一氏)のお知らせ 6/11 18:00

第14回共創言語進化セミナー
タイトル: 共創的コミュニケーションの進化を考える
講演者: 山極壽一氏 (人間文化研究機構総合地球環境学研究所 所長)
言語 : 日本語
日時 : 2021/6/11 (金) 18:00-19:30 JST (少し延びる可能性あり、いつもと開始時刻が異なります)
申込サイト: https://forms.gle/ANTMgcRVdsTHA61X9
(登録後すぐにZoom情報を記したメールが届きます。お見落としがないようメールをご確認下さい。)

概要 :
現代の人間にとってことばは考える道具であり、創造性の源である。しかし、その進化の歴史を遡ると、
やはりことばはコミュニケーションの一つとして生まれ、発達してきたと考えざるを得ない。それは、
ことばがコミュニケーションとしては実に不完全な道具だからである。ことばは一語でも2語でも相手
に通じるし、逆にいくらことばを尽くしても相手に伝わらなかったり、誤解されることが多々ある。
人間は他の霊長類と同じく視覚優位の動物である。百聞は一見に如かずというように、見たことが真実
であり、それ以外の感覚は視覚を補うか、視覚による確認を促す役割を与えられている。だから、こと
ばのそもそもの役割は対面で行われていた社会的文脈を構造化し、時空間の広がりをもたせて、複雑さ
の増加に適応することだったのではないかと思えてくる。であれば、現在の言語に関する脳の機能やそ
の遺伝的仕組みを調べるとともに、人類の社会的文脈と認知能力がどのような背景で、いかなる進化を
遂げてきたのかについて検討することが不可欠になる。道具の進化はその大きな切り口になるだろう。
しかし、人類に系統的に近い霊長類の社会的文脈と認知能力、それを支える生理的特徴を総合的に分析
することも重要である。なぜなら、人類の脳容量は集団規模の増加に対応して増大したと考えられてい
るからである。集団規模の増大は人類にいかなる利益をもたらし、いかなる問題を生んだのか。そこに
は、霊長類の食と性の特徴が基調となっている。人類の祖先は他の霊長類、とりわけ人類に近い類人猿
が経験していない生息域に足を延ばすことによって、身体や生理の特徴を大きく変えた。食生活の変化
による消化器の縮小、生活史の変化による成長遅滞や離乳期、思春期の登場といった特徴である。社会
編成の変化はそれらの変化と強く関連付けられており、新しい環境で人類の生存を支えるものだったは
ずである。複数の家族を含む共同体はその結果としてできた。個体の自由な動きを容認しながら大きな
集団をまとめるには、シンボルを使った全体論的なコミュニケーションが必要になる。つまり、社会的
文脈をいくつも作り、それを全体的にまとめ上げて解釈する必要性が生じる。そのとりあえずの道具が
ことばであった。ことばはコミュニケーションとしては万能ではない。そして今、ことばに代わるシン
ボルを使ったコミュニケーションが登場し、人々を混乱に陥れている。その新たな情報社会の危機を乗
り越えるためには、ことばのもつ原初的役割とそれが発達した背景、そしてそのコミュニケーションと
しての限界を理解しなければならないと思う。

参考文献:
– Yamagiwa J, Shimooka Y, Sprague DS (2014) Life history tactics in monkey and apes : focus on female-dispersal species. In : Yamagiwa J & Karczmarski L (eds), Primate and Cetacean : field research and conservation of complex mammalian societies, Springer, Tokyo, pp. 173-206.
– Yamagiwa J, 2018. Evolution of community and humanity from primatological viewpoints. In : Stomu Yamash’ta, Tadashi Yagi, Stephen Hill (eds), The Kyoto Manifesto for Global Economics : The Platform of Community, Humanity, and Spirituality, Springer Nature, Singapore, pp. 329-357.
– ロビン・ダンバー著『人類進化の謎を解き明かす』(2016)インターシフト
– 野間秀樹著『言語存在論』(2018)東京大学出版会
– ダニエル・エヴァレット著『言語の起源』(2020)白揚社

山極寿一氏について:
京都大学理学部卒、理学博士。京都大学理学研究科教授を経て、2020年9月まで京都大学総長を務める。国際霊長類学会会長、国立大学協会会長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員を歴任。2020年4月より現職。アフリカ各地でゴリラの行動や生態をもとに初期人類の生活を復元し、人類に特有な社会特徴の由来を探っている。著書に『暴力はどこからきたか』(NHKブックス)、『人類進化論』(裳華房)、『家族進化論』(東京大学出版会)『スマホを捨てたい子どもたち』(ポプラ新書)など。

日本第二言語習得学会第21回国際年次大会(J-SLA2021)研究発表募集

「2021年度日本第二言語習得学会第21回国際年次大会(J-SLA2021)」における研究発表募集のご案内をさせていただきます。
皆様のご応募を心よりお待ちしております。

【日本第二言語習得学会 第21回国際年次大会(J-SLA2021) 研究発表募集】

日程: 2021年10月23(土)、24日(日)
場所: Webサイトで実施
招待講演: Dr. Heather Marsden氏 (ヨーク大学)

<研究発表募集>
発表応募締切: 7月15日 (木) 11:59pm (日本時間)
研究領域: 第二言語習得の理論的・実証的研究
発表言語: 日本語または英語
発表種別: 「口頭発表」、「ポスター発表」、「学生ワークショップにおける口頭発表」
応募方法: 発表要旨などを発表申し込みサイトから提出。発表申込サイトは2021年6月1日から2021年7月15日まで開設します。
研究発表募集の詳細:
【日本語】 https://www.j-sla.org/events/20200625-01
【英語】 https://en.j-sla.org/events/20200625-01

<問い合わせ先>
J-SLA事務局 若林 茂則

JCHAT Award announcement

We are pleased to announce the winners of the eleventh JCHAT Award.

Best paper:
Chuxin Liu (Tohoku University), Jessie Wanner Kawahara (Tohoku University), Mariko Nakayama (Tohoku University)
Visual Word Recognition in L2 Japanese for Chinese-Japanese Bilinguals: Does Phonological Similarity Modulate
Cognate Priming Effects in a Naming Task?
The paper was presented at the previous conference, JSLS2019.

Best paper utilizing JCHAT/CHILDES: None

We plan to have the award ceremony at JSLS2021 ( June 5-6, 2021), online virtual conference, Okinawa International University.

Congratulations!

Harumi Kobayashi, Chairperson of Japanese Society for Language Sciences