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[終了しました][Free Online Event in English] Elite Creativities – 批判的社会言語学(critical sociolinguistics)についての国際研究集会のご案内

For information in English, please click on the link below:
https://let-kansai-fmt-sig.blogspot.com/2021/01/march-6-2021-international-meeting.html

ベルン大学(スイス)の若手研究者をリモートで招いて、SNSの談話分析などの
手法を活用したelite
creativitiesについての批判的社会言語学(critical
sociolinguistics)研究プロジェクトの初学者にも分かりやすい発表会を予定し
ておりますため、ご案内いたします。主催者は外国語教育メディア学会(LET)
関西支部
基礎理論研究部会です。

– 日時:2021年 3月6日(土)例会:3:30PM-6:30PM (日本時間)
– 会場:オンライン開催(Zoom活用)
– 参加費:無料
– 言語:English
– フライヤー及びイベント詳細情報:
https://let-kansai-fmt-sig.blogspot.com/2021/01/march-6-2021-international-meeting.html

をご参照ください。

※下記リンクより事前参加登録が必要です:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScVD93Lba49bF1nJd3M80MhCYmJruthwtAbcERMSC2kF6ra7A/viewform

Presentation 1
The big business of creativity: A frame analysis of social media
influencers’ bricolage in advertising discourse.
by Olivia Droz-dit-Busset (Bern University, Switzerland)

Presentation 2
The rhetorics of creativity in professional language work: The case of
UX
writers.
by Lara Portmann (Bern University, Switzerland)

多くの方のご参加を、お待ちしております!

[終了しました]「第1言語としてのバイリンガリズム研究会(BiL1)」第22回研究会発表募集のお知らせ

第1言語としてのバイリンガリズム研究会(BiL1)では、5月に第22回研究会を「オンライン研究会」として開催することを決定いたしました。つきましては、本研究会の設立趣旨に沿った研究発表を募集しますので、奮ってご応募ください。

https://sites.google.com/site/bilingualismasa1stlanguage/をご参照ください)

第22回BiL1ONLINE callforpaper

[終了しました]第9回共創言語進化セミナー(松本敏治氏)見逃し配信 (3/15まで)

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第9回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご視聴下さい。

なお、第8回「言語と言語能力の共進化に対する構成論的アプローチ」(米納弘渡氏)は3/3まで配信予定です。
(第8回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1348 、視聴申し込み→ https://forms.gle/dV5WqcLUNZm1nJw69 )

第9回共創言語進化セミナー 見逃し配信
タイトル: 自閉症は津軽弁を話さない
(Autistic children rarely talk in Tsugaru dialect)
講演者: 松本敏治(教育心理支援教室・研究所 ガジュマルつがる 代表)
言語 : 日本語
配信期間: 2021/2/26(金)12:00 – 2021/3/15(月)15:00 (JST)
申込サイト: https://forms.gle/3tsfBtdhQKduMKa87
概要 :
青森県津軽地方の保健師・特別支援教育関係者の間には「自閉症は津軽弁を話さない」という風聞が存在する。これをきっかけに行った全国調査では、ASD児者の方言使用が少ないという印象が全国で見られる普遍的なものであることを示した。また、青森・高知の特別支援学校で行った方言語彙・共通語語彙使用の調査は、ASD児の方言語彙使用が非ASDに比べて少ないとする結果を示した。方言には相手との心理的距離の近さを表す働きがあることから、ASD児者の方言不使用は心理的距離の理解不全によるのではないかという解釈が考えられた。しかし、この解釈ではASD幼児に見られる方言不使用を説明することは難しい。方言主流社会の子どもは、周囲の人々が話す方言とテレビ・DVD等メディアからの共通語という2つのことばに曝さ
ている。共同注意・意図理解・自己化などに困難を抱えるASD幼児では周囲のことば(方言)を習得できず、繰り返し再生視聴可能なメディアや組織的学習を通じ場面とことば(共通語)をパターンとして結びつけている可能性が考えられた。関西在住のASD青年に関する詳細な育児日誌からは、DVDの場面を再現しながらセリフを真似し、現実場面に当てはめて使用する様子が確認された。また、それまで共通語を話していたがある時期から方言を話すようになった事例においては、方言使用の前後から他者への興味・関心が増し、対人的認知スキル等において伸びが見られた。本講演ではこれら一連の研究をもとにASD児者の言語習得および使用について考察する。

参考文献:
– 松本敏治 (2017) 自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く. 福村出版. 文庫版 (2020) 角川ソフィア文庫.
– 松本敏治 (2020) 自閉症は津軽弁を話さないリターンズ コミュニケーションを育む情報の獲得・共有のメカニズム. 福村出版.

松本敏治氏について:
公認心理師、特別支援教育スーパーバイザー、臨床発達心理士。
1987年、北海道大学教育学研究科単位取得退学、1999年、博士(教育学)取得。1987-1989年、稚内北星学園短期大学講師。1989-1991年、同助教授。1991-2000年、室蘭工業大学助教授。2000-2003年、弘前大学助教授。2003-2016年9月、弘前大学教授。2011-2014年、弘前大学教育学部附属特別支援学校長。2014-2016年9月、弘前大学教育学部附属特別支援教育センター長。
2016年10月より、発達障害当事者の会である教育心理支援教室・研究所『ガジュマルつがる』代表。
発達障害児・者の支援に取り組みながら、自閉スペクトラム症児・者の方言使用からみた言語・コミュニケーション特性の研究に従事。

[終了しました]第8回共創言語進化セミナー(米納弘渡氏)見逃し配信 (3/3まで)

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第8回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。
(なお、第9回「自閉症は津軽弁を話さない」(松本敏治氏、2/22開催)については、http://evolinguistics.net/event/#event1292 をご参照下さい。)

第8回共創言語進化セミナー 見逃し配信
タイトル: 言語と言語能力の共進化に対する構成論的アプローチ
(Constructive approach to the co-evolution of language and linguistic ability)
講演者: 米納弘渡 (名古屋大学大学院 情報学研究科 複雑系科学専攻 特任研究員)

言語 : 日本語
配信期間: 2021/2/15(月)12:00-2021/3/3(水)15:00
申込サイト: https://forms.gle/dV5WqcLUNZm1nJw69
概要 :
人類の言語能力は,言語それ自体の文化進化(古英語から英語への変化など)と,言語使用に必要な言語能力(高い認知能力に必要な脳容量,多様な音声のための声帯など)の生物進化の相互作用で創発してきたと考えられる [Azumagakito 2018, Smith 2018].また,言語には,思考能力の拡張とコミュニケーション能力の拡張の2側面があり[Harman 1975, Reboul 2015],それぞれ本領域の中心テーマである階層性と意図共有に対応する.
これらの異なる時間スケールと機能的側面が関わる相互作用を理解する上で,各構成要素の要点を抽出し組み合わせたモデルを「創って動かすことで理解する」構成論的アプローチが有用である.本講演では,言語と言語能力の共進化に関する次の2つの構成論的モデル研究を紹介する.
言語と言語能力の共進化において,学習は両者をつなぐ重要な役割を果たしてきたと考えられる.そこで,言語能力は多数の下位機能による創発的特性であるとの観点に基づき,複雑な形質間相互作用を想定した個体学習と社会学習の進化モデルを構築した[Yonenoh 2019].各個体は整数の形質値を複数持ち,言語の認知的側面(自身の持つ形質構成)とコミュニケーション的側面(相手個体を含めた形質構成)において,より多数の相互作用が存在するほど適応性が共創的に(相乗的に)生じる.実験の結果,学習は適応進化を促進しうること(ボールドウィン効果)や,社会学習(適応的情報の共有)と個体学習(試行錯誤的な新奇情報獲得)が相補的に働くことが重要であることなどが示唆された.
言語の起源は共同狩猟や死肉あさり等の協力的な資源獲得が関係してきたと指摘されている[Bickerton 2011].一方,人類社会は当初の有限で物質的な資源から,知識などの無限に複製可能な情報的な資源を共有するよう変化しているといえる.そこで,次の構成論的モデルを構築した[Yonenoh 2020, in press].極座標(動径:表現力,偏角:構造)で表現された言語空間上に各言語が点で表現される.各生物は扇型の領域(可塑性)で表され,領域内に存在する言語を共有する個体間で共同資源を獲得し分配される.資源有限性,言語の表現力,共創的利益,認知的競合,可塑性維持コストに基づく適応度で生物集団が進化すると同時に,言語使用に応じて言語集団も文化進化する.実験の結果,言語の表現力と生物の言語能力が断続平衡的に増加する様子が観察され,資源有限性の減少(情報化)は言語の適応進化を促進するが,多様化を抑制する傾向があることなどがわかった.
最後に,将来のコミュニケーションのあり方に対するこれらの知見からの示唆について検討する.

参考文献:
– Yonenoh, H., Suzuki, R. and Arita, T. (2019), Effects of individual and social learning on the evolution of co-creative linguistic communication, Artificial Life and Robotics, 24: 534-541.
– Yonenoh, H., Suzuki, R. and Arita, T. (in press), A shift from material to informational aspects of shared resources can promote language evolution, Advances in Artificial Intelligence (8 pages).

米納弘渡氏について:
2016/3 筑波大学大学院システム情報工学研究科修了。社会経済博士。東京大学大学院工学系研究科特任研究員を経て、2018/4より現職、新学術領域「共創言語進化」C01創発構成論班研究員。言語進化・協力の進化・金融市場を対象に、複雑系科学(部分と全体)と進化ゲーム理論の観点から、実験経済学、エージェント・シミュレーションの手法で研究を行う。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]第8回共創言語進化セミナー(米納弘渡氏)のお知らせ 2/11 17:00 Zoom

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第8回共創言語進化セミナーのお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。
(なお、第9回「自閉症は津軽弁を話さない」(松本敏治氏、2/22開催)については、http://evolinguistics.net/event/#event1292 をご参照下さい。)

第8回共創言語進化セミナー
タイトル: 言語と言語能力の共進化に対する構成論的アプローチ
(Constructive approach to the co-evolution of language and linguistic ability)
講演者: 米納弘渡 (名古屋大学大学院 情報学研究科 複雑系科学専攻 特任研究員)

言語 : 日本語
日時 : 2021/2/11 (木・祝) 17:30-19:00
申込サイト:https://forms.gle/8BBzdxuJNZeiGNzT9
概要 :
人類の言語能力は,言語それ自体の文化進化(古英語から英語への変化など)と,言語使用に必要な言語能力(高い認知能力に必要な脳容量,多様な音声のための声帯など)の生物進化の相互作用で創発してきたと考えられる [Azumagakito 2018, Smith 2018].また,言語には,思考能力の拡張とコミュニケーション能力の拡張の2側面があり[Harman 1975, Reboul 2015],それぞれ本領域の中心テーマである階層性と意図共有に対応する.
これらの異なる時間スケールと機能的側面が関わる相互作用を理解する上で,各構成要素の要点を抽出し組み合わせたモデルを「創って動かすことで理解する」構成論的アプローチが有用である.本講演では,言語と言語能力の共進化に関する次の2つの構成論的モデル研究を紹介する.
言語と言語能力の共進化において,学習は両者をつなぐ重要な役割を果たしてきたと考えられる.そこで,言語能力は多数の下位機能による創発的特性であるとの観点に基づき,複雑な形質間相互作用を想定した個体学習と社会学習の進化モデルを構築した[Yonenoh 2019].各個体は整数の形質値を複数持ち,言語の認知的側面(自身の持つ形質構成)とコミュニケーション的側面(相手個体を含めた形質構成)において,より多数の相互作用が存在するほど適応性が共創的に(相乗的に)生じる.実験の結果,学習は適応進化を促進しうること(ボールドウィン効果)や,社会学習(適応的情報の共有)と個体学習(試行錯誤的な新奇情報獲得)が相補的に働くことが重要であることなどが示唆された.
言語の起源は共同狩猟や死肉あさり等の協力的な資源獲得が関係してきたと指摘されている[Bickerton 2011].一方,人類社会は当初の有限で物質的な資源から,知識などの無限に複製可能な情報的な資源を共有するよう変化しているといえる.そこで,次の構成論的モデルを構築した[Yonenoh 2020, in press].極座標(動径:表現力,偏角:構造)で表現された言語空間上に各言語が点で表現される.各生物は扇型の領域(可塑性)で表され,領域内に存在する言語を共有する個体間で共同資源を獲得し分配される.資源有限性,言語の表現力,共創的利益,認知的競合,可塑性維持コストに基づく適応度で生物集団が進化すると同時に,言語使用に応じて言語集団も文化進化する.実験の結果,言語の表現力と生物の言語能力が断続平衡的に増加する様子が観察され,資源有限性の減少(情報化)は言語の適応進化を促進するが,多様化を抑制する傾向があることなどがわかった.
最後に,将来のコミュニケーションのあり方に対するこれらの知見からの示唆について検討する.

参考文献:
– Yonenoh, H., Suzuki, R. and Arita, T. (2019), Effects of individual and social learning on the evolution of co-creative linguistic communication, Artificial Life and Robotics, 24: 534-541.
– Yonenoh, H., Suzuki, R. and Arita, T. (in press), A shift from material to informational aspects of shared resources can promote language evolution, Advances in Artificial Intelligence (8 pages).

米納弘渡氏について:
2016/3 筑波大学大学院システム情報工学研究科修了。社会経済博士。東京大学大学院工学系研究科特任研究員を経て、2018/4より現職、新学術領域「共創言語進化」C01創発構成論班研究員。言語進化・協力の進化・金融市場を対象に、複雑系科学(部分と全体)と進化ゲーム理論の観点から、実験経済学、エージェント・シミュレーションの手法で研究を行う。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

第4回「HiSoPra*研究会(歴史社会言語学・歴史語用論研究会)」のご案内(3/12,(金), オンライン開催)

3月12日に第4回HiSoPra研究会を開催することとなりました。
特別企画は,昨年中止になってしまった
《討論》 「言語の形成過程をめぐる社会的類型化は可能か」を開催いたします。
ぜひご参加いただけますと幸いです。

—-
第4回 HiSoPra*研究会(歴史社会言語学・歴史語用論研究会)
HiSoPra* : HIstorical SOciolinguistics and PRAgmatics

日時:2021年3月12日(金)13:30~16:30
開催方法:Zoomによるオンライン開催
参加費:不要

13:30-13:35 導入
13:35-14:20 《研究発表》髙橋 圭子(フリーランス)
「中古和文における聞き手配慮の敬語使用」
14:30-16:30 特別企画 《討論》「言語の形成過程をめぐる社会的類型化は可能か」
話題提供:渋谷 勝己(大阪大学) 指定討論:堀江 薫(名古屋大学)
司会:森 勇太(関西大学)

今回の特別企画では,言語の形成/変容過程と,それを取り巻く社会的な状況の関係という,古くて新しい問題にスポットライトを当てたいと思います。
例えば日本語を例にしたときに,標準語の形成過程,方言(さらには個々の方言)の形成過程,海外の日系人社会で使用される変種の形成過程などに,それぞれ,
特徴的な言語変化のタイプというのはあるのでしょうか。逆に言えば,「このような社会的な状況においてはこのような言語変化が起こり,このような日本語変種が生じやすい」といったことは言えるのでしょうか。
本企画では,最初に,言語変化と社会の関係を考えるための素材や枠組みを,
渋谷勝己氏に提供していただきます。その後,言語類型論的な観点から堀江薫氏にコメントをいただいた後,会場全体で議論を深めていきたいと思います。
当日は,さまざまな言語の事例を取り上げられればと思います。多数の方のご参加をお待ちしております。

16:40-18:00 懇親会 Zoom

研究会にご参加くださる方は事前申し込みをお願いいたします。
下記ページGoogleフォームより必要事項を記載してください。
締め切りは3月5日(金)です。

https://forms.gle/EjHV1pupFdESkJXx5

必要事項:メールアドレス,研究会出欠,お名前,ご所属,ご専門(領域)


HiSoPra*研究会事務局
hisopradesk@gmail.com

[終了しました]第9回共創言語進化セミナー(松本敏治氏)のお知らせ 2/22 15:00 Zoom

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第9回共創言語進化セミナーのお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。
(なお、第8回は2/11(木)の夕方開催を予定しています。内容が固まりしだいアナウンスいたします。)

第9回共創言語進化セミナー
タイトル: 自閉症は津軽弁を話さない
(Autistic children rarely talk in Tsugaru dialect)
講演者: 松本敏治(教育心理支援教室・研究所 ガジュマルつがる 代表)
言語 : 日本語
日時 : 2021/2/22 (月) 15:00-17:00 (少し延びる可能性あり)
申込サイト:https://forms.gle/ykUwFbL9L3WKtKHz7
概要 :
青森県津軽地方の保健師・特別支援教育関係者の間には「自閉症は津軽弁を話さない」という風聞が存在する。これをきっかけに行った全国調査では、ASD児者の方言使用が少ないという印象が全国で見られる普遍的なものであることを示した。また、青森・高知の特別支援学校で行った方言語彙・共通語語彙使用の調査は、ASD児の方言語彙使用が非ASDに比べて少ないとする結果を示した。方言には相手との心理的距離の近さを表す働きがあることから、ASD児者の方言不使用は心理的距離の理解不全によるのではないかという解釈が考えられた。しかし、この解釈ではASD幼児に見られる方言不使用を説明することは難しい。方言主流社会の子どもは、周囲の人々が話す方言とテレビ・DVD等メディアからの共通語という2つのことばに曝されている。共同注意・意図理解・自己化などに困難を抱えるASD幼児では周囲のことば(方言)を習得できず、繰り返し再生視聴可能なメディアや組織的学習を通じ場面とことば(共通語)をパターンとして結びつけている可能性が考えられた。関西在住のASD青年に関する詳細な育児日誌からは、DVDの場面を再現しながらセリフを真似し、現実場面に当てはめて使用する様子が確認された。また、それまで共通語を話していたがある時期から方言を話すようになった事例においては、方言使用の前後から他者への興味・関心が増し、対人的認知スキル等において伸びが見られた。本講演ではこれら一連の研究をもとにASD児者の言語習得および使用について考察する。

参考文献:
– 松本敏治 (2017) 自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く. 福村出版. 文庫版 (2020) 角川ソフィア文庫.
– 松本敏治 (2020) 自閉症は津軽弁を話さないリターンズ コミュニケーションを育む情報の獲得・共有のメカニズム. 福村出版.

松本敏治氏について:
公認心理師、特別支援教育スーパーバイザー、臨床発達心理士。
1987年、北海道大学教育学研究科単位取得退学、1999年、博士(教育学)取得。1987-1989年、稚内北星学園短期大学講師。1989-1991年、同助教授。1991-2000年、室蘭工業大学助教授。2000-2003年、弘前大学助教授。2003-2016年9月、弘前大学教授。2011-2014年、弘前大学教育学部附属特別支援学校長。2014-2016年9月、弘前大学教育学部附属特別支援教育センター長。
2016年10月より、発達障害当事者の会である教育心理支援教室・研究所『ガジュマルつがる』代表。
発達障害児・者の支援に取り組みながら、自閉スペクトラム症児・者の方言使用からみた言語・コミュニケーション特性の研究に従事。

[終了しました]第7回共創言語進化セミナー(中井智也氏)見逃し配信 (1/18まで)

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第7回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご視聴下さい。

第7回共創言語進化セミナー 見逃し配信
タイトル: 複合的言語情報に関する脳内表現の定量的モデル化
(Quantitative modeling of brain representations of multiple linguistic information)
講演者: 中井智也(情報通信研究機構・脳情報通信融合研究センター 研究員)
言語: 日本語
日時: 2020/12/25(金)12:00-2021/1/18(月)15:00
申し込みサイト: https://forms.gle/3nKwtd3HKk2Q1e917
(12/29-1/3の登録については1/4に視聴URLをお知らせいたします)
概要:
従来、ヒト脳において下前頭回や上側頭回などの部位は音韻・意味・統語といった特定の言語機能に関連するとされてきたが、近年そのような機能局在性に対し疑念が生じている。脳機能イメージング研究で広く用いられてきた認知的差分法は、統制された条件下で少数の変数による脳活動の差を調べるものであるが、同じ脳部位の活動に複数の言語機能が反映されている場合、それらの寄与を定量的に比較することが困難である。それに対し近年使われるようになった符号化モデルは、自然刺激下実験において複数の特徴量を同時にモデルに組み込むことができるため、各脳部位における異なる言語機能の寄与を包括的に調べることが可能である。また符号化モデルは単語埋め込みベクトルなど数百次元の言語特徴量と脳活動の関連を調べることができるため、自然言語処理のモデルを脳神経科学に応用する点でも有効である。本講演では我々がこれまで行ってきた符号化モデルによる研究を紹介すると共に、階層構造の神経基盤を調べる定量的手法として本手法の可能性を検討する。

参考文献:
– Nakai T, Nishimoto S. Quantitative models reveal the organization of diverse cognitive functions in the brain. Nature communications, 11(1), 1142-1142, 2020.
– Koide-Majima N, Nakai T, Nishimoto S. Distinct dimensions of emotion in the human brain and their representation on the cortical surface. NeuroImage, 222, 117258, 2020.
– Nakai T, Yamaguchi HQ, Nishimoto S. Convergence of modality invariance and attention selectivity in the cortical semantic circuit. bioRxiv, 160960, 2020.
– Nakai T, Okanoya K. Neural Evidence of Cross-domain Structural Interaction between Language and Arithmetic. Scientific reports, 8(1), 12873, 2018.

中井智也氏について:
2017年東京大学大学院総合文化研究科修了。博士(学術)。新学術領域「共創言語進化」A01(言語理論班)公募班代表。専門は数学能力を中心とする高次認知機能の脳神経科学。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]第7回共創言語進化セミナー(中井智也氏)のお知らせ 12/23 17:30 Zoom

新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の第7回共創言語進化セミナーのお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご参加下さい。

なお、第5回「A compositional view of the origins of the modern human language faculty」(Prof. Cedric Boeckx)は12/21まで、
第6回「認知科学的言語学習モデリングと動物音声分析のための教師なし機械学習」(森田尭氏)は12/14まで配信しています。
(第5回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1078 、視聴申し込み→ https://forms.gle/9V1sza4kdmvfCEdK7
第6回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1207 、視聴申し込み→ https://forms.gle/Wz51Kpn1cLCEDxMK6 )

第7回共創言語進化セミナー
タイトル: 複合的言語情報に関する脳内表現の定量的モデル化
(Quantitative modeling of brain representations of multiple linguistic information)
講演者: 中井智也(情報通信研究機構・脳情報通信融合研究センター 研究員)
言語: 日本語
日時: 2020/12/23 (水) 17:30-19:00 JST (少し延びる可能性あり)
申し込みサイト: https://forms.gle/a9fUKbwHjDDeLqGU7
概要:
従来、ヒト脳において下前頭回や上側頭回などの部位は音韻・意味・統語といった特定の言語機能に関連するとされてきたが、近年そのような機能局在性に対し疑念が生じている。脳機能イメージング研究で広く用いられてきた認知的差分法は、統制された条件下で少数の変数による脳活動の差を調べるものであるが、同じ脳部位の活動に複数の言語機能が反映されている場合、それらの寄与を定量的に比較することが困難である。それに対し近年使われるようになった符号化モデルは、自然刺激下実験において複数の特徴量を同時にモデルに組み込むことができるため、各脳部位における異なる言語機能の寄与を包括的に調べることが可能である。また符号化モデルは単語埋め込みベクトルなど数百次元の言語特徴量と脳活動の関連を調べることができるため、自然言語処理のモデルを脳神経科学に応用する点でも有効である。本講演では我々がこれまで行ってきた符号化モデルによる研究を紹介すると共に、階層構造の神経基盤を調べる定量的手法として本手法の可能性を検討する。

参考文献:
– Nakai T, Nishimoto S. Quantitative models reveal the organization of diverse cognitive functions in the brain. Nature communications, 11(1), 1142-1142, 2020.
– Koide-Majima N, Nakai T, Nishimoto S. Distinct dimensions of emotion in the human brain and their representation on the cortical surface. NeuroImage, 222, 117258, 2020.
– Nakai T, Yamaguchi HQ, Nishimoto S. Convergence of modality invariance and attention selectivity in the cortical semantic circuit. bioRxiv, 160960, 2020.
– Nakai T, Okanoya K. Neural Evidence of Cross-domain Structural Interaction between Language and Arithmetic. Scientific reports, 8(1), 12873, 2018.

中井智也氏について:
2017年東京大学大学院総合文化研究科修了。博士(学術)。新学術領域「共創言語進化」A01(言語理論班)公募班代表。専門は数学能力を中心とする高次認知機能の脳神経科学。

共催:科学研究費補助金基盤研究(B)「再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究」

[終了しました]第5回共創言語進化セミナー(Prof. Cedric Boeckx)見逃し配信のお知らせ(12/21 15時まで)

講演内容の関係で前後しましたが、新学術領域「共創言語進化」http://evolinguistics.net/ 主催の
第5回共創言語進化セミナー見逃し配信のお知らせをさせていただきます。ご興味のある方、ぜひご視聴下さい。

なお、第6回セミナー「認知科学的言語学習モデリングと動物音声分析のための教師なし機械学習」(森田尭氏)は12/14まで並行して配信しております。
(第6回の講演内容→ http://evolinguistics.net/event/?id=event1207 、視聴申し込み→ https://forms.gle/Wz51Kpn1cLCEDxMK6 )

第5回共創言語進化セミナー 見逃し配信
タイトル: A compositional view of the origins of the modern human language faculty
講演者: Prof. Cedric Boeckx (Research Professor, Catalan Institute for Advanced Studies (ICREA), the Universitat de Barcelona Institute of Complex Systems (UBICS))
言語: 英語
配信期間: 2020/12/3 (木) 11:00 ~ 12/21(月)15:00 JST
登録フォーム: https://forms.gle/9V1sza4kdmvfCEdK7

概要:
In this talk I want to explore new ways of probing further the mosaic nature of the language faculty through the prism of its evolutionary trajectory. It is now clear that a simplistic evolutionary scenario of the sort still entertained by some linguists (e.g. Berwick and Chomsky’s 2016 “Why Only Us” account) is untenable, detached as it is from robust empirical considerations generated in allied disciplines (archaeology, paleogenetics, etc.). The piecemeal assembly of the language faculty over evolutionary time will be examined here, focusing not only on the subcomponents of language but also on the temporal order of their emergence. A bit like semanticists do when talking about compositionality, we’ll be asking about the component parts of the language faculty and how they were put together.
I’ll take inspiration from Limor Raviv’s recent work, and I’ll explore this question using agent-based modeling, but also through bioinformatic methods allowing us to date the origins of certain genetic variants.

参考文献:
– Kuhlwilm, M., & Boeckx, C. (2019). A catalog of single nucleotide changes distinguishing modern humans from archaic hominins. Scientific Reports, 9(1).
– Martins, P. T., & Boeckx, C. (2019). Language evolution and complexity considerations: the no half-merge fallacy. Plos biology, 17(11), e3000389.
– Raviv, L., Meyer, A., & S. Lev-Ari. (2019). Larger communities create more systematic languages. Proceedings of the Royal Society B, 286(1907):20191262.

Prof. Cedric Boeckxについて:
ハーバード大学言語学科准教授を経て、現在、スペインのCatalan Institution for Research and Advanced Studies (ICREA)の研究教授、バルセロナ大学の複雑系研究所(UBIC)および一般言語学部門のメンバー。研究グループ”Cognitive Biology of Language”のPI、新学術領域「共創言語進化」国際アドバイザーを務める。
人間の言語機能の神経生物学的基盤に新しい光をあてる、言語学、神経科学、進化生物学、遺伝学といった分野を統合する理論的・実験的研究を進めている。
著書として、”Linguistic Minimalism” (2006), “Bare Syntax” (2008), “Language in Cognition” (2009)(邦訳『言語から認知を探る―ホモ・コンビナンスの心』、”Syntactic Islands”(2012)、”Elementary Syntactic Structures” (2015) 等多数。2020年、レオナルド・フェローシップを得る。